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文書作成日:2020/05/12
消費税の会計処理方法の違いによる、法人税額への影響

[相談]

 私が経営する会社では、このたび、従業員の勤怠管理用に新たにタイムレコーダーを購入することとなりました。
 その価格は、1台あたり280,000円(税抜価格)で、5台購入予定です。
 このタイムレコーダー購入について、法人税法上の「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」の適用は受けられますか。
 なお、当社の消費税の会計処理方法は、すべての取引について税込経理方式を採用しています。


[回答]

 ご相談のタイムレコーダー購入については、中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例の適用は受けられません。


[解説]

1.中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例の概要

 法人税法上の「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」とは、税法上の中小企業者等が、取得価額30万円未満の減価償却資産を取得して事業供用した場合に、合計300万円(原則)まで、その全額を損金(経費)に算入することができる制度です。

2.消費税の会計処理方法の選択

 法人税法上、法人が行う取引に係る消費税等の会計処理方法については、税抜経理方式(消費税を含めないで経理する方式)と税込経理方式(消費税を含めて経理する方式)の、どちらの方式を採用してもよいこととされています。
 また、消費税の会計処理方法について法人が採用した方式は、原則として、その法人の行うすべての取引について適用するものとされています。
 なお、固定資産ごとに異なる会計処理方法を採用することはできません。

3.消費税の会計処理方法の選択が及ぼす影響

 上記1.の「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」における「30万円未満」の判定については、法人が選択している消費税の会計処理方法にしたがって行うことと定められています。
 したがって、今回のご相談の場合、消費税の会計処理方法は税込経理方式を採用していることから、タイムレコーダーの取得価額は308,000円(消費税率10%込み)となります。このため、タイムレコーダー1台あたりの取得価額は30万円以上となり、上記1.の要件を満たさず、中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例の適用は受けられないこととなります。

 消費税率が10%に引き上げられたことにより、以前よりも消費税の会計処理方法の選択がその年度の法人税額に及ぼす影響が大きくなっています。
 消費税の会計処理方法は、上記のような法人税額への影響だけでなく、円滑な経理事務の遂行など諸条件を総合的に考慮したうえで決定したほうが良いと思われます。


[参考]
 措法67の5、平元直法2-1「消費税法等の施行に伴う法人税の取扱いについて」など


※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
 本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。

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